JR東日本が主催する、歌舞伎の裏方の小道具という視点から日本の伝統芸能について学ぶイベントに子どもと参加してきました。
どんなイベントだったか、参加してみてどうだったかの感想をシェアしたいと思います。
1:イベントの概要

JR東日本が「おしごと体験学習 ことむすび」というイベントを企画しているようで、今回参加したのはその中の一つ。
JR東日本と松竹株式会社がコラボし、日本の伝統文化を「小道具」という視点から学ぶワークショップのイベントが開催されました。
親子で二人1組で申し込みができ、約2時間のワークショップを行うものでした。
このイベントについてのポスターが最寄りの駅に掲示してあるのを見かけ、「面白そうだよね」と夫と話していたんです。
正直、私も夫も歌舞伎は観たことないし、子どもたちも興味はなさそう・・・

でも、日本人なら誰もが知ってる歌舞伎について学べる機会はないかも!
と思い切って申し込むことにしました。
2:イベントの流れと体験した内容
①座学


まず最初に、歌舞伎の舞台に使われる小道具を製作している「藤浪小道具株式会社」の方からのお話を聞き、テレビ画面の映像をみて歌舞伎の歴史や概要を学びました。

この部屋も、実際に歌舞伎役者さんが稽古をする場所とのことで、そんな場所に入れることも貴重な経験だなと感じました。
歌舞伎の由来や歴史、全く知らなかったのですごくためになりました!
その後、グループごとに分かれて、別部屋に移動しての活動になりました。
②小道具体験

まず私たちのグループは、実際に使われている小道具を体験しました。
小道具といっても千差万別。
実際に触ったり、乗ったり、鳴らしたりすることができました。

中に人が入って動かす馬(実際に子どもを乗せてくれました!)。
前と後ろに人が入って動かすそうです。

籠屋のカゴに入ってみたり、


波の音を出す道具で波の音を再現してみたり。



いい感じの波の音を出す角度が難しいね。
雨の音は「雨うちわ」といううちわを使って音を表現するそう。
ぱらぱらと弱い雨から、傘を打ちつける強い雨もこのうちわで表現するそうです。


カエルの声は赤貝の貝の凸凹を利用して音を出していました。



我が家の子どもたちはここに一番食いついていたかも。
一生懸命鳴らしてる子供達が可愛かった!
舞台を作りあげるのに必要な小道具を体感することができました!
②制作体験:彩色の蝶作り
「彩色の蝶」は黒い棒(差金さしがね)の先に取り付けられ、その棒を揺らすことによって蝶が空中を舞っているように演出する小道具です。

持ち手の部分の素材と蝶がついているところの素材が異なっていて、蝶がついている部分は「くじらのひげ」でできているそう。
差金を動かすときにくじらのひげが適度にしなり、動物の動きを再現できるようです。
まさかそんな素材が使われているなんて思わないですよね。
この蝶々を折り紙で作って、そっくりな小道具を作りました。



実際に使われている蝶とそっくりの蝶が作れて満足!


竹の棒につけて、実際にふわふわ飛ばしてみました。

きれいな蝶を作れて子どもたちがテンション上がってるように感じました。
口上人形(配役を述べるために開幕前に登場する人形のこと)の製作もできました!

この製作をした後に、本物の「彩色の蝶」や差金についた鳥を動かす体験もできました。


うまく羽がひらひらするように動かすの難しいね
③製作体験:和綴じ本作り

小道具の一つとして、「和綴じ本」の製作体験も行われました。
「手習草紙」は今でいうノート、練習帳みたいな感じとのこと。
あらかじめ和紙を束ねたものに、紐を通していく体験をしました。



先生に言われた通りの手順で、紐を通していくと、しっかりと綴じることができました!!

筆ペンで文字をなぞって・・・

千代紙でデコレーションして完成!!
参加していた子たちがみんな真剣に取り組んでいたのが印象的でした!
3:まとめ
歌舞伎などの舞台を作るには、役者さんがいるだけでは成り立たない。
効果的な音をつける音響さんがいたり、場面を切り替えるのに必要な大道具さんがいたり、ストーリーや振り付けに必要な小道具、衣装、メイクさんなどと、さまざまな役割を担う人がいてこそ成り立つのです。
華やかに見える役者さんがフォーカスされがちですが、今度舞台を観る機会があったら、そんな裏方の人たちの活躍に想いを馳せながら観てみたいなと感じました。
子ども向けのイベントでしたが、図らずも大人の社会見学として素敵なイベントに参加できたなと感じています。
「ことむすび」では小学生の親子むけの職業体験学習のイベントを企画しているようです。
今後も他のイベントもチェックしてみたいなと思いました!